大阪樟蔭女子大学 教員情報   
     


  サンドウ キンヤ
  山東 勤弥   健康栄養学部 健康栄養学科   教授
■ 標題
  Adhesive mucosa gel layer and mucus release as intestinal barrier in rats. (ラットにおける腸管バリアーとしての腸上皮被覆粘液ゲルと小腸粘液分泌について)
■ 概要
  平成8年3-4月
中心静脈栄養法(Total parenteral nutriation:TPN)は腸管透過性を増加させ,腸上皮を覆っている粘液ゲル層を減少させると報告されてきたが,粘液ゲルの腸管透過性への役割は充分に解明されていない。本研究ではN-アセチルシステイン(NAC)の粘液分解作用とコルヒシンの粘液生産阻害作用をin vivoでフルオレセイン イソチオシアネート デキストラン70,000(FITC-デキストラン)の腸管移行性を用いて検討した。ラットを4群に分け,生食あるいはコルヒシン(10mg/kg)の腹腔内注入3時間後にNAC(3000mg/kg)含有および非含有のFITC-デキストラン(750mg/kg)を小腸内腔に注入した。FITC-デキストラン注入後30分で門脈から採血して血漿フルオレセイン 濃度を,蛍光分光分析器で測定した。小腸は凍結切片で蛍光顕微鏡用に処理し,断続的酸-Schiff反応で染色した。NAC投与群の血漿中FITC-デキストラン濃度は対照群より高値(p<0.01)であり,NAC含有コルヒシン投与群はコルヒシン単独投与群より高値(p<0.01)で,NAC単独投与群より高値(p<0.05)であった。対照群とコルヒシン単独投与群では,絨毛突起間の間隙は粘液ゲルで満たされていたが,NAC単独投与群とNAC含有コルヒシン投与群では完全には満たされていなかった。FITC-デキストランと粘液ゲルはすべてのラットで補足的に分布していた。腸管絨毛突起の浮腫はNAC単独投与群で認められ,NAC含有コルヒシン投与群では破壊していた。これらの結果より腸管透過性は腸上皮を覆っている粘液ゲルだけではなく,小腸の杯細胞からの粘液分泌が影響していることが
担当部分:一部指導したので約10%は担当した。

  分担執筆:Iiboshi Y, Nezu R, Cui L, Chen K, Khan J, Yoshida H,Sando K, Kamata S, Takagi Y, Okada A
  共著   J. Parent. Ent. Nutr.   20(2),98-104頁   1996/03